この記事は、第1部:エレキおじさんのギター青春記(全5話)の第3話です。前回は「ギターを持っていないのにバンドを組む」という無茶苦茶な話をしました。
▶ 前回(第2話):【ギター青春記②】不良の溜まり場と借りパクのストラト。爆音の中で鳴らした青春のバンド時代
▶ 次回(第4話):【ギター青春記④】初任給とローンで手に入れた名機「ヤマハSG1000」。総武線に乗って叶えた奇跡
こんにちは、エレキおじさんです。
膝の具合はいかがですか?と聞かれることがありますが、日によってまちまちですね。無理はせずに音楽を聴きながらのんびり過ごしています。今回は、借り物のギターで挑んだコンテストと、少しだけ誇らしい思い出のお話です。
ロックンロールから「シティポップ」へ
市民会館でのデビュー後、バンドはメンバーの脱退などを経て形を変えていきました。 そして出会ったのが、先輩バンドが演奏していたサディスティックスの「READY TO FLY」や、SHOGUNの都会的なサウンドでした。
これまでロックンロール一筋だった私にとって、16ビートの鋭いカッティングや、歌のないインストゥルメンタルの世界は衝撃的でした。 「ただジャカジャカ弾くだけじゃダメだ」 先輩から譲ってもらったグレコのSE500(ナチュラルカラーのストラトキャスター)を手に、私はCharや高中正義のテクニカルなプレイにのめり込んでいきました。
ナチュラルカラーのストラト。これは当時の上手い人たちがこぞって使っていた憧れの仕様です。 先輩から譲り受けたこのギターで、私の技術はさらに磨かれていきました。
勉強はダメでも、ギターなら負けない

新しく組んだバンドで、当時流行していたヤマハ主催のコンテスト「ロックジャム」に出場することになりました。 演目は2曲、Char(コピー)一曲、オリジナルソング一曲。 毎日必死に練習した甲斐あって、なんと予選大会で見事優勝することができました。
普段は勉強ができなくて先生に怒られてばかりの私でしたが、この時ばかりは地元の新聞に「優勝」の記事が載りました。 「お前、すごいじゃないか!」 先生や親に褒められた時の、あのこそばゆいような、誇らしいような気持ち。 ギターが、私という人間に「自信」を与えてくれた瞬間でした。
東北大会の壁、そして「返却の儀式」
意気揚々と挑んだ東北大会。 勝てば仙台・菅生の野外ステージに立てるチャンスでしたが、結果は敗退。 上には上がいることを思い知らされました。
そして、高校卒業後の春。 就職のために新生活の準備をしていたある日、我が家に「ピンポーン」とチャイムが鳴りました。 玄関を開けると、そこには以前ストラトを貸してくれていた友人が、お母さんと一緒に立っていました。
「あのギター、そろそろ返してほしいんだけど……」
どうやら私が地元を離れると聞いて、さすがに回収しに来たようです(笑)。 長期間の「借りパク」状態、さすがにそのまま逃げるわけにはいきません。
「長く借りてて悪かったね」 私は平謝りしつつ、たまたま買い置きしてあった新品の弦をセットにして、彼にギターを返しました。 これにて私の「借りパク疑惑」は無事(?)、円満解決となりました。
手元から一本のギターが消え、私は改めて決意しました。 「働こう。そして今度こそ、あの憧れのヤマハSG1000を、正真正銘自分の金で手に入れてやる」
(次回、総武線で運んだ「激重」アンプと運命の出会いへ続きます)
▶ 前回(第2話):【ギター青春記②】不良の溜まり場と借りパクのストラト。爆音の中で鳴らした青春のバンド時代