この記事は、【第2部:エレキおじさんの機材遍歴とDIY(全6話+番外編】の第4話です。前回は、2000円のベリンガーや憧れのMESA/BOOGIE V-TWIN(ラック版)を手に入れ、ついに理想の「アナログの歪み」を手に入れたお話でした。
▶ 前回(第3話):【機材遍歴③】理想の歪みを求めて…アナログコンパクトエフェクター探求の終わらない旅
▶ 次回(第5話):【機材遍歴⑤】まさかの大逆転!VOX ToneLab LEの真空管サウンドに魅せられた理由
8Uラックスタンドにそびえ立つ「MESA & Roland」~最強の見た目と、マルチ放浪の旅へ~
こんにちは、エレキおじさんです。
しかし、高中正義先生のサウンドを再現するには、良い歪みだけでは足りません。 空を飛ぶような爽快な「コーラス」、広がりを作る「ディレイ」、そして感情を込めるための「ボリュームペダル」が必要です。
今回は、これらを統合するために私が築き上げた「男の城(ラックシステム)」と、それを支える「裏技(ケーブル)」のお話です。
500円で買った司令塔「KAWAI MX-8」
自宅でギターを楽しむ時、私はいつもYouTubeの音源に合わせて演奏しています。 そのためには、自分のギターの音と、パソコン(YouTube)の音を混ぜてヘッドホンやスピーカーから出すための「ミキサー」が必要です。
いつものようにハードオフを巡回していた時、ジャンクコーナーで運命の出会いがありました。
KAWAI MX-8(ラックマウントミキサー)
ツマミがいくつか取れているボロボロの状態でしたが、お値段なんと500円! 「音が出れば儲けもの」と購入しましたが、これが現役バリバリで使えました。
夢の「8Uスラント・ラックスタンド」システム完成
そして、空間系エフェクターの主役として選んだのが、往年の名機Roland GP-100です。 私はこれらを収納するために、L字型の8Uラックスタンド(上部が斜めになっているタイプ)を用意しました。
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- 上段(斜め): KAWAI MX-8 ミキサー(斜めなので操作しやすい!)
- 下段(正面): MESA/BOOGIE V-TWIN Rack & Roland GP-100
どうですか、この構成。 剥き出しの機材たち。電源を入れると各機材のLEDが光り輝き、まるでコックピットのような「男の要塞」が完成しました。
影の立役者!ジャンクコーナーで発掘した「CANARE」
さて、これだけの要塞を組むとなると、大量の「シールドケーブル(パッチケーブル)」が必要になります。 ギターからV-TWINへ、V-TWINからGP-100へ、そしてミキサーへ……。 新品で揃えたら、ケーブル代だけでとんでもない金額になってしまいます。
そこで私が頼ったのが、またしてもハードオフの「ジャンクコーナー(青い箱)」です。
あのぐちゃぐちゃにケーブルが絡まった箱の中を漁っていると、安物の細いケーブルに混じって、キラリと光るものがあります。 「CANARE(カナレ)」の文字です。
スタジオやライブハウスで標準的に使われている、日本が誇るプロ仕様のケーブル。 新品なら数千円しますが、ジャンクコーナーでは他の安物と同じ扱いで、1本100円~300円で投げ売りされていることがよくあったのです(長さも0.5m、1m、3mと様々!)。
見つけたら即「確保」です。 カナレは耐久性が高いので、ジャンクでも断線していることはまずありません。しかも、赤、青、黒、黄……とカラーバリエーションが豊富。 私はこれを買い集め、
- 赤: センド・リターン用
- 青: メインアウトプット用
といった具合に色分けして配線しました。 背面のごちゃごちゃした配線も、カナレで統一されているとプロっぽくて満足度が高いんです。
(最近はハードオフでもカナレを見かけることが少なくなってきました……。良い時代でしたね)
足元もジャンクで制圧!BOSS FC-50とペダル
ラックに入ったGP-100を操作するには、手元ではなく足元でパッチを切り替える「MIDIフットコントローラー」が必須です。 これも新品で買うと高いのですが、ハードオフの神様は私を見捨てませんでした。
ジャンクコーナーの底に、少し錆びついた鉄の塊を発見。 BOSS FC-50 MIDI Foot Controller お値段、驚愕の500円! 少し錆びてはいますが、機能は生きています。500円でMIDI制御ができるなら安いものです。
さらに、高中サウンドに不可欠なボリューム奏法(バイオリン奏法)などをするための「エクスプレッションペダル」も、同じくジャンクで1000円ほどで確保しました。
- 本体: GP-100
- ケーブル: 100円のCANARE
- 足元: 500円のFC-50 + 1000円のペダル
これで見た目はプロ仕様のシステムですが、中身は徹底した「ジャンクの寄せ集め」。 安く組み上げることに喜びを感じる私にとっては、最高のセットアップです。
音は最高!GP-100の実力
ケーブルもしっかりした業務用を使ったおかげか、音もノイズレスで本格的です。
- 歪み(心臓部): アナログのMESA/BOOGIE V-TWINで作る。
- 空間系(化粧): V-TWINをGP-100のセンド・リターンに接続。
- キャビネットシミュレーター: GP-100にはキャビネットシミュレーターが内蔵されているので、ライン録音でも迫力のある音が出ます。
ヘッドホンから聞こえる音は、極上のステレオサウンドでした。
「めんどくさい!」からの浮気心(ZOOM G3X)

音も見た目も最高でした。 しかし、GP-100には致命的な欠点がありました。 「操作がとにかく面倒くさい!」
古いラック機材なので、小さな画面を見ながら階層深く潜ってパラメーターをいじる必要があります。直感的に音が作れないのです。 人間とは贅沢なもので、あんなに苦労して組んだ要塞なのに、調整が億劫になってしまいました。
そこで手を出したのが、ZOOM G3Xです。 これは革新的でした。 パソコンの画面上で、アンプやエフェクターのアイコンを並べ替えて音作りができる! まるでゲーム感覚で操作でき、ペダルでオクターバーをギュイーンと鳴らすのも楽しく、しばらくこれがおもちゃになりました。
アナログ派の救世主?「BOSS MS-3」
「デジタルの操作性は欲しい。でも、音はアナログを使いたい」 そんな悩みを抱えていた時、近所の島村楽器で衝撃的な出会いがありました。
BOSS MS-3 Multi Effects Switcher
これはただのマルチエフェクターではありません。 「お気に入りのコンパクトエフェクターを3つまで繋いで制御できるスイッチャー」の中に、BOSSの高品位な空間系マルチが入っているのです。
「これだ!これこそ私が求めていた正解だ!」 即座に衝動買いしました。 これで巨大なラックシステムを組まなくても、足元だけで完結できると思ったのです。
越えられない「ライン出力」の壁
しかし、MS-3でも私は満足できませんでした。 原因は「ライン出力時の音のショボさ」です。
ギターアンプに繋いで演奏する分には素晴らしい機材だと思います。 ですが、私はYouTubeに合わせて演奏する「ライン録音・宅録派」。 GP-100には優秀なキャビネットシミュレーターが入っていましたが、MS-3のラインの音はどうしてもペラペラで、アンプを通したような空気感が出ないのです。
「キャビネットシミュレーターを別に入れれば解決するかもしれない」 とも考えました。 しかし、まともなステレオ対応のキャビネットシミュレーターは結構なお値段がします。 「高いお金を出して、もし思い通りの音にならなかったら……」
その不安とコストの高さから、結局MS-3をメインに据えることは諦めました。 「ラインでも、アンプを鳴らしているような空気感が欲しい」 この難題を解決してくれたのは、ある日ハードオフで見つけた「動作未確認のジャンク品」でした。
次回、「まさかのジャンクが大逆転!VOX ToneLab LEの真空管マジック」編へ続きます。
▶ 前回(第3話):【機材遍歴③】理想の歪みを求めて…アナログコンパクトエフェクター探求の終わらない旅