みなさん、こんにちは。「エレキおじさん」です。
前回は、移動する秘密基地「フォード・フリーダ」で、家族と一緒に駆け抜けた最高の車中泊時代についてお話ししました。子供たちの成長と共にあったあの時間は、私の人生における大切な宝物です。
しかし、月日は流れ、子供たちは立派な大人へと成長していきました。それに伴い、我が家のカーライフにも、ある「切実な変化」が訪れたのです。
駐車場に4台!「一人一台」時代の到来
子供たちが免許を取り、社会に出るようになると、我が家の景色は一変しました。 娘が車を持ち、息子が車を持ち、そして妻も車を運転する。気がつけば、自宅の駐車場には家族それぞれの車がずらりと4台も並ぶことになったのです。
「これだけの台数を維持し続けるのは、流石に効率が悪いのではないか……」
当時、フリーダの次にステップワゴンに乗っていた私は、ふと考えました。家族全員でのキャンプというステージは一段落し、これからはそれぞれの道がある。それならば、自分自身の移動手段は、もっと自由で、もっと自分の感性に忠実なものでもいいのではないか。
そう決意した私は、長年親しんだ「四輪」のハンドルを置き、かつて憧れていた「二輪」の世界へと飛び込むことにしたのです。
運命の鼓動。カワサキ・W650との出会い
ステップワゴンを手放し、私が新たな相棒として選んだのは、カワサキのW650でした。
選んだ理由は、そのクラシックで普遍的なスタイル、そして何より「エンジン」です。 垂直にそそり立つバーチカルツインエンジンの、トコトコという心地よい排気音と、体に伝わる独特の鼓動感。アクセルを回すたびに、眠っていた冒険心が呼び覚まされるような感覚がありました。
日々の仕事に励む傍ら、休日はこの「鉄の馬」に跨り、風を切って走る。 四輪の窓越しに眺めていた景色が、ヘルメット越しにダイレクトに五感へ飛び込んでくる。道の匂い、気温の変化、そして大地を蹴って走る手応え。それは、家族のために走り続けた日々とはまた違う、自分自身を取り戻すための「第二の青春」の始まりでした。

自由という名の「風」を追いかけて
バイクライフは、私に新しい視点をくれました。 車では入り込めないような細い脇道の先にある絶景、堤防のぎりぎりまで寄せて楽しむ釣り、そして一人で焚き火を囲む静かなキャンプ。
W650のサイドバッグに最低限の道具を詰め込み、目的地も決めずに走り出す。 あの頃の私は、間違いなく「自由」そのものでした。 家族4人で賑やかに過ごしたフリーダ時代も最高でしたが、バイクという相棒と一対一で向き合う時間もまた、私にとってかけがえのないものだったのです。
震災を乗り越え、私が再び「バイク」と共に釣りの情熱を取り戻していった過程については、こちらの記事で熱く語っています。ぜひご覧ください。
👉 【第1話】震災前、そして復活の2017年。僕の釣り人生は「バイク」と共に再起動した
しかし、人生の旅路には、またしても予期せぬ「曲がり角」が待っていました。 風を追いかけ、どこまでも走れると思っていた私を立ち止まらせたのは、自分の「体」からの小さな悲鳴だったのです。
【次回予告】 W650と共に、最高にアクティブな日々を過ごしていたエレキおじさん。 しかし、突然の膝の怪我が、その自由な時間に影を落とします。「もう大型バイクは支えられない……」。 苦渋の決断と、そこから見出した「新たな希望」とは?
次回、「第4回:膝が教えてくれた潮時。バイクを降り、再び『屋根のある旅』へ」。 物語はいよいよ、現在の再出発へと繋がっていきます。
エレキおじさん (W650の鼓動に魅了され、二輪の自由を謳歌した62歳。現在は膝を労わりつつ、次の旅を準備中。)