【機材遍歴⑤】まさかの大逆転!VOX ToneLab LEの真空管サウンドに魅せられた理由

この記事は、【第2部:エレキおじさんの機材遍歴とDIY(全6話+番外編)】の第5話です。前回は、巨大な「8Uスラントラック」を組んで悦に入っていたものの、操作性の悪さに悩み、さらにBOSS MS-3を導入するも「ライン出力の音がペラペラでショボい」という壁にぶち当たったお話でした。

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動作未確認のジャンク品がメイン機材に?VOX ToneLab LEの「真空管マジック」

こんにちは、エレキおじさんです。

自宅でYouTubeに合わせて弾く「宅録・ライン派」にとって、「アンプを通していないのに、どうやってアンプの空気感を出すか?」 は永遠の課題です。

高価なキャビネットシミュレーターを買うしかないのか……と諦めかけていたその時。 いつものハードオフ巡回で、運命の出会いがありました。

恐怖の「動作未確認」VOX ToneLab LE

レジカウンター前の横に、銀色のこれからジャンクコーナーに持って行くのだろうな?的な筐体が置いてありました。

VOX ToneLab LE

緑色の値札には恐ろしい文字が書いてあります。 「動作未確認」

電源が入るかどうかも分からない、専用のACアダプターは付いています、まさにギャンブルです。 しかし、VOXのマルチエフェクターには定評がありますし、何より見た目がカッコいい(これ重要)。 「まあ、ダメならオブジェにすればいいか」 そんな軽い気持ちで保護(購入)しました。

家に帰って恐る恐る電源を入れると…… 点いた! 音も出た! まさかの完動品でした。これだからハードオフ巡りはやめられません。

これぞ「Valve Reactor」の奇跡!

さっそく音を出してみて、腰を抜かしました。 「……なんだこの音圧は!?」

今まで使っていたデジタルマルチのライン臭さ、ペラペラ感が全くないのです。 まるで、スタジオで大きなキャビネットを鳴らしているような、空気を震わせる「圧」がある。

その秘密は、VOX独自の特許技術「Valve Reactor(バルブ・リアクター)」にありました。 この機種には本物の真空管(12AX7)が搭載されているのですが、ここがミソです。

普通の機材は真空管を「歪み(プリアンプ)」に使いますが、ToneLab LEは「パワーアンプの挙動」を再現するために真空管を使っているのです。 だからこそ、ライン出力でも「真空管アンプ特有のサグ感(コンプレッション)」や「暴れる感じ」がリアルに出る。

BOSS MS-3で悩んでいた「音のショボさ」が、このジャンク品一台で嘘のように解決してしまいました。 もちろん、ステレオアウトプット対応なので、空間系の広がりもバッチリです。

まさかの「ケンタウルス」入り!?

使っていくうちに、さらに驚愕の事実を発見しました。 なんとこのToneLab LE、あの伝説のエフェクター「ケンタウルス(Klon Centaur)」のモデリングが入っているのです。

実機は中古市場で数十万円、モノによっては100万円を超えることもある幻のペダルです。 それが、このジャンクで買ったマルチの中に入っているなんて……! ブースターとして噛ませると、独特の艶と太さが加わって最高に気持ちいい。 「パワーアンプシミュレーター」として買ったつもりでしたが、とんでもないおまけ機能が付いていました。

私流「プリアンプ・スルー」の極意

このToneLab LE、内蔵のアンプモデルも悪くはないのですが、私は少し特殊な使い方をしています。

「内蔵プリアンプは使わない(スルーする)」 のです。

ToneLab LEの設定でアンプモデルをオフ(またはクリーン)にして、「真空管パワーアンプシミュレーター + 空間系エフェクター」 としてのみ使用します。

そして、肝心の「歪み」は、手前にお気に入りのアナログ機材を繋ぐのです。 これぞ、贅沢の極み。

  1. ギター
  2. アナログ歪み(MESAなど): ここで好みの味付けをする
  3. VOX ToneLab LE: 真空管パワーアンプの空気感と、ステレオの空間系を加える
  4. 出力: ラインでミキサーへ

このセッティングが見事にハマりました。 アナログの良さと、VOXの真空管技術が融合し、ついに納得のいく「ライン録音環境」が完成したのです。

プロも認めた実力!憧れの芳野藤丸氏も愛用

そして最近、YouTubeを見ていてとんでもない発見をしました。 私が尊敬してやまないスーパーギタリスト、芳野藤丸さん(SHOGUN)の動画を見ていた時のことです。名曲『男達のメロディー』や、私の大好きな『Yellow Magic』を弾いている、あの神様のようなお方です。

なんと、ライブ映像(『SHOGUN LIVE!』)で、彼の足元に私と全く同じVOX ToneLab LEが置かれているのを発見したのです! さらに別の番組(『GUITAR STORIES ~情熱のスーパーギタリスト列伝~』)を確認すると、兄弟機である大型の「ToneLab SE」を使用されていました。

「あの憧れの芳野藤丸さんが、私と同じVOXを、しかも同じ時代のToneLabを使っている……!」

この事実を知った時は、本当に小躍りして喜びました。 ハードオフのジャンクコーナーで「動作未確認」として転がっていた機材でしたが、私の耳は間違っていなかった(笑)。プロのステージでも通用する「本物の音」が出る機材だということが、最高の形で証明された瞬間でした。

惚れ込みすぎて「2台目」を購入

このToneLab LE、あまりにも音が良く、私のメイン機材となりました。 パソコンで音色管理ができるソフトがあるのも、デジタル好きには嬉しいポイントです。

しかし、さすがは古い機材。 使っているうちに、フットスイッチの接触が悪くなり、切り替えがうまくいかなくなってしまいました。 普通ならここで「最新機種に買い替えようか」となるのですが、私は違います。

「この音じゃなきゃダメなんだ!」

すぐにヤフオクで検索。 そこで見つけたのは、「専用ACアダプターなし」という理由で破格で出品されていたジャンク品でした。 ToneLab LEのアダプターは特殊な仕様なのですが、私には初代のアダプターがあります。 「本体さえ動けばいい!」と迷わず落札し、2台目を激安でゲットしました(笑)。 今では初代を予備機(部品取り?)、2台目をメイン機材として愛用しています。

さて、これで「空間系」と「パワーアンプの空気感」は最強になりました。 あとは、入力段の「歪み(プリアンプ)」をどうするかです。

次回、いよいよ最終回! 「MOOER Preamp Liveとの衝撃の出会い、そして現在の最強セットへ」 (技術の進歩って、本当にすごいですね……)

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